2014年12月20日、東京の渋谷公会堂で開かれた東京女子流のライヴ『CONCERT*06 ~STEP UP TO THE NEXT STAGE~』に行ってきました。
当日の東京はこの季節にしては珍しい雨降り。カラッカラの冬晴れを期待してた北陸住みにとって足をすくわれた格好になりましたが、6月の野音ライヴと天候が反転してたらと考えたら、それはそれで大変なことになってたわけですな。しかしまあ待ち時間が寒かった。
昼の部の『CONCERT*05 ~カワイイ満載見納めPARTY~』と夜の部の『CONCERT*06~STEP UP TO THE NEXT STAGE~』の2本立てだった当日のライヴ。私は夜の部に参戦しました。すでに「アイドルからアーティスト宣言」を見聞きしていたことでもあるし、タイトルからなんとなくアッパーなファンクチューン中心の選曲になるかと予想していました。まあ、いい意味で予想を裏切られたわけですがそのあたりは後述。
ライヴは、ステージ上に配置された棺桶から5人が登場する演出での『十字架』からスタート。続いて3rdアルバム『約束』から『ディスコード』へ。企画物の印象がある『十字架』からのスタートだったので個人的にはやや乗り切れない立ち上がりだったものの、3曲目の『Life Size』で一気に気分は上昇。ライヴで初見ということもあったし、4つ打ちのビートも気持ちいい。ひーちゃん(新井ひとみちゃん)の「受け入れられる?」のウィスパーヴォイスにもゾクゾクきました。
ということで前半はこんなセットリストでステージが進んでいきました。
- 十字架
- ディスコード
- Life Size
- MC
- Limited addiction
- Bad Flower
- Liar
- Mine
- MC
- Say long goodbye
- サヨナラ、ありがとう。
先日リリースされた『Say long goodbye』は、ゆりちゃん(=中江友梨ちゃん)のファルセットから始まる難易度の高い楽曲で、ライヴであのファルセットが出るのかヒヤヒヤしながら見守っていましたが、見事に伸びある歌声を聞かせてくれて感動の涙流しながら聞き入ってしまいました。Cメロでのヴォーカルの重なり具合もゾクゾクきます。いい曲だ。
衣装チェンジの時間に流れた寸劇(?)映像で会場を沸かせた後、白基調のキュートな衣装に着替えて歌い始めたのは『恋愛エチュード』。「『カワイイ見納め』したはずなのに」と選曲の意外性を感じましたが、改めて歌詞を読んでみるとこの曲なかなかエロいですね。「妄想膨らませる耳年増な地味子JKの心情」を描いていて、「STEP UP TO THE NEXT STAGE」に引っかけた選曲と申しましょうか。野音ライヴのMCでめいてぃん(=庄司芽生ちゃん)が「セットリストにもメンバーの意見を反映させるようになった」との趣旨のこと言ってましたが、ここでの選曲にもメンバーの意向が生かされているとしたら女子流ちゃんエロいっすよもうw
そんなわけで後半のセットリストがこれ。
- 恋愛エチュード
- ずっと 忘れない。
- MC
- 約束
- 運命
- 月とサヨウナラ
- MC
- pale blue nocturne
- existence
- GAME
- MC
- Partition Love
- Count Three -TGS Version-
めいてぃんが「2013年当時の女子流を描いた曲」と紹介した『約束』でしみじみさせたかと思ったら、一転してアッパーなファンクチューンの連打きました! いつ出るかと待ち望んでいたTGSナンバー40番台の『HARDBOILED NIGHT』シリーズ(勝手に名付けた)もここへ来てようやく登場。『pale blue nocturne』はあぁちゃん(=小西彩乃ちゃん)のラジオ番組で、『existence』は2014年12月14日の『ららぽーと豊洲 2DAYS SPECIAL!』ライヴ向けにSoundcloudで限定配信のサンプルで聴いたきり。『existence』のサビではペンライト片手に飛びまくりでしたよ。サビといえば、べーやまさん(=山邊未夢ちゃん)のヴォーカルも艶っぽいんだこれが。
と盛り上がったところで「あと2曲でおしまい」宣言。「女子流が今後やっていきたい方向性の曲です」との前振りが来たので「次のステージへのステップアップを象徴する『A New Departure』が来るか!」(これもSoundcloudでしか聴いたことなかった)と構えてたら、まさかの『Partition Love』に『Count Three -TGS Version-』。そうか、異性を狂わせるような世界観に磨きをかけていこうとしているのか、女子流ちゃんやるなー……なんて思ったりしたわけです。
そして、安定のシャツインで5人が登場のアンコール。『A New Departure』のイントロが流れた瞬間に人目もはばからず歓声をあげたワタクシ。アンコールということでみんなリラックスしていたのか、あえて振り付けをつけない仕掛けなのかは分かりませんが、ステージをくるくる動き回る5人の表情がすごくステキで印象に残りました。映画『5つ数えれば君の夢』のエンディングを思わせる笑顔でしたね。これからもライヴの後半はこの曲で盛り上げてほしいなあと思った次第です。
最後はデビュー曲の『キラリ☆』のオリジナルバージョン。「STEP UP TO THE NEXT STAGE」の幕開けだけど、やっぱり5人の心を支える基点はここなんだろうなあ……としみじみしながら、おぼつかない振りコピしながら一緒に歌い多幸感に酔いしれました。
あっという間にすぎていった約2時間のライヴ。渋谷公会堂はその昔、月曜夜に視ていた『ザ・トップテン』のたたずまいそのままでした。「ああ、あの2階席から修学旅行生がマチャアキに手を振ってたんだなあ」とついつい余計なことも思い出したりしまして。
女子流ちゃんを聴き始めてたかだか1年半ほどの新参組ですが、ライヴ遠征3回、ロケ地訪問2回という戦績で終わった2014年でした。さて来年は何から行きましょうか。
[女子流ちゃんへの愛を込めてあえての辛口批評]
Twitterでの感想やニュースサイトのライヴレポートなど見ていますと、今回のライヴは昼・夜ともおおむね好評だったようです。
トータルではワタシも多幸感いっぱいだったのですが、ヴォーカルの完成度という面だけでいえばやや不満の残るライヴでした。ヴォーカルのピッチのズレをひーちゃんが正常な方向に引き戻す場面が多く、手放しで褒められたものではなかった。「アイドルらしからぬ楽曲の完成度」から女子流ちゃんにハマっていったので、その思いがより強くなったのかもしれません。コロガシ(=モニタースピーカー)から十分な音量で返しが戻らず、ピッチがとりにくいのではないかと以前から感じているのですがどうでしょうか。
ちなみにこの5~6年連続で参戦している山下達郎さんのライヴはツアーメンバー10人、生バンド、MC込みで3時間。チケットは8800円くらい。そこから考えると今回のライヴに割高感を感じたのも否めません。デビュー40年近い大ベテランと比較するのもヤボってもんですが、さきごろの「アーティスト宣言」を受け、同じアーティストの土俵で戦うことになる女子流ちゃんの飛躍に期待して愛を込めて辛口批評も付け加えてしまいました。