2020年2月21日~23日にタイ・バンコクで開催予定されていた、アジア圏初のフラッグシップWordCamp『WordCamp Asia 2020』。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、残念ながら中止となってしまいました(関係者のみなさんにとっては実に苦渋の決断だったと推察申し上げます)。
バンコク行きの理由がなくなったのでツアーを取りやめようとも思ったのですが、LCC往復+ホテル5泊分のキャンセル料100%という時期だったこともあり、もともと同行予定だった人と「WordCamp Asia お流れツアー」と称して(自称)旅に出てきました。
妻の中の人が「どうせキャンセルきかないんだったら行ってきたら? なんだったら私が代わりに行きたい」と、なぜか私より積極的だったのも理由の一つです。
同じようにバンコクに向かった日本のWordPressコミュニティの方が私の知る範囲で20人くらいいました。「ブログに書くまでがWordCamp」ということで、「2020」は幻に終わったものの、帰国早々詳しくブログにまとめている方もいらっしゃいます。
すでに『WordCamp Asia 2021』の開催がアナウンスされており、「来年こそぜひバンコクに」という方に何かの役に立てばと、「すき間ネタ」を少しつづってみようと思います。どうぞお付き合いくださいませ。
筆者の語学スペック
- 英語
- 中学時代に英検4級取得したのみ
- ヒアリング
相手の話から断片的に単語を捉えられる程度(相手の話の内容を一度で把握できる確率は3割くらい) - スピーキング
単語を並べて自身の意思をなんとか伝えられる程度
時制、語順、冠詞の使い分け、前置詞の使い分けなどを意識しようとするとテンパる
- タイ語
読めない・書けない・聞けない・話せない
(食べ物の名前だけちょっと話せる ※後述)
日本を発つ前にやっておいたこと
スマホのSIMロック解除、AIRSIM購入・アクティベート
やった時期 … 出発2カ月くらい前
今回のツアーは実に15年ぶりの海外行き。スマホを持って初の海外旅行ということで、WordCamp Asia参加予定者でつくるFacebookグループで情報を得たチャージ型SIM「AIRSIM」をAmazonで買いました。
普段使いのスマホがdocomo印のSONY『Xperia』なので、AIRSIM導入にあたりドコモのサイトでSIMロック解除。
解除前は「手順が煩雑かなあ」と身構えたものの、マニュアルに沿って進めたらすんなり解除できました。ショップだと3,000円+税の手数料がかかりますが、サイトでの手続きなら無料です。
AIRSIMのアクティベートは専用アプリで行います。SIMを入れ替えると当然ながらドコモ回線は使えないので、Wi-Fi環境下でアプリダウンロード、アクティベートをすることになります。
現地で設定にアタフタしないよう、出発前に日本国内向けを1日分チャージして(キャリアはIIJ)テストもしておきました。
ちなみに現地では、キャリアとしてAISを選びました。
配車アプリ『Grab』のインストールとアクティベート
やった時期 … 出発1カ月くらい前
これも先述のFacebookグループで得た情報。Uberのようなサービスで、「バンコクならGrab一択」らしいです(Uberは撤退したとか)。話は前後しますが、実際に現地で使ってみて「これはたしかに便利だわ」という感想しかなかったですね。
インストール、アクティベート(アカウント取得)までは日本国内で、クレジットカード情報登録は空港到着時、AIRSIMを差し込んだ後で行いました(私が持っているカードでは日本国内で登録できなかった)。
行きつけのタイ料理店でメニューを覚える
やった時期 … WordCamp Asiaのアナウンスがあった前から
これは結果として「覚えておいてよかった」ということなんですが…
海外旅行先で地元の人が行くような食堂に入るのが好きなので、パッカパオ(豚肉とバジル炒めを添えたライス)、バーミー(小麦麺)、クイティオ(米麺)、ヤムウンセン(エビやハーブの入った辛めの春雨料理)、トムヤムクンなど、行きつけの店でいつも食べているメニューが現地で役に立ちました。
現地に着いてやったこと行った場所
WordPress Asia Meet and Greet in Bangkok (unofficial)に参加
バンコクのWordPressコミュニティメンバーが、私と同じような「WordCamp中止になったけどバンコク来ちゃった」という人たちと語り合いたいという趣旨で開いたMeetupイベント。
バンコク・ワッタナー区にあるメキシコ料理店で開催され、 ニュースレター&メールプラグイン『MailPoet』の開発元がスポンサーとなり(感謝!)飲食費をサポートしてくださいました。
私にとっていちばんの出来事は、WP-CLIのメンテナーであるAlain Schlesserさんにお目に掛かれたこと! 本ブログでWP-CLI関連の記事をいろいろ書いている私にとって雲上人のような方が、なんと、今、目の前に!
めっちゃブロークンな英語で「あ、あ、あなたはWP-CLIを開発されている方? わ、わ、私、WP-CLIの公式サイトを日本語訳しまして…」と話しかけたところ、「それはありがとう。お礼にこれを日本のコミュニティに」とWP-CLIのステッカーを束で渡してくれたのでした。うれしすぎて目から汗が…
Grab Bikeに乗る
Grabで呼び出せるサービスには、Grab Taxi(日本でいう緑タク)、Grab Car(日本でいう白タク)のほか、『Grab Bike』というバイクタクシーがあります。日本の感覚では信じられないですがバイクを旅客営業用として使っているんです。Grab Bikeはその一部なのですが、このバイクタクシーの台数がめちゃくちゃハンパない。
バンコクの中心市街地が慢性的な渋滞ということもあり、クルマのすき間をスイスイぬっていくバイクタクシーは現地の人たちの手軽な足。ハタから見ていて「危なっかしいなあ…」と利用をためらったものの、夕方のラッシュ時に移動する必要があり文字通り「意を決して」使ってみることに。
後部座席ノーヘル上等のバイクタクシーも見かけましたが、私が乗ったGrab Bikeでは旅客用のヘルメットを用意してくれていて、一応その点は安心できました。
とはいえ、おっさんがドライバーのお兄さんに抱きつくのもいかがなものか?でして、スクーターのボディを両脚でギュッと挟んで、重心を前屈みにして振り落とされないようにしながら乗っていました。
まあ、1回でいいですあの体験は?
コワーキングスペース『NAP LAB』に行った
バンコク市内のコワーキングスペースは日本語の情報源も豊富で、「バンコク コワーキングスペース」で調べるといろいろと出てきます。5つくらいの候補の中から「お昼寝がコンセプト」という『NAP LAB』に行ってみました。
ドロップイン利用は4時間150バーツ(約517円 ※以下、日本円換算は本記事執筆時点)。支払いは現金のみ。「専用アプリインストールしてる?」と聞かれたので、「うーん、ない」と応えたところ、パスポート確認の後、入出場に必要なQRコードやWi-Fi情報が印刷されたレシートをもらえました。
店内は2階建て構造。お昼寝もできる2~3人用ブース(ちゃぶ台あり)は、平日午後にもかかわらずおよそ20くらいのブースは満席。私が作業した2階のテーブルスペースには、 サブモニタ2台持ち込みでもくもく開発しているエンジニア、7~8人くらいでディスカッションしながらレポート作成している学生グループなどがいました。
電源コンセントは日本のプラグ(タイプA)も差し込める構造で、100V~240Vに対応した、PCやスマホの電源アダプターをそのまま使うことができました。一応、2ピン(タイプC)の変換プラグをダイソーで買って持って行きましたが、ホテルのコンセントもタイプA対応で変換プラグの出番はまったくなかったです。
電車(BTS)と地下鉄(MRT)完乗
先述のとおりバンコク中心部は渋滞がすごいので、目的地によっては高架鉄道(BTS)や地下鉄(MRT)を利用するとスピーディに移動できます。 そんなわけで自称「マイルドな乗り鉄」として、BTSとMRTの路線を完乗(=完全乗車)してきました。
BTS、MRTともにバンコク中心部から郊外に向け2路線が営業中。MRTの「ブルーライン」は2020年3月まで、一部区間が時間帯限定の仮営業中ですが、たまたま仮営業時間帯に重なり完乗をはたした次第です。
乗車の際に使ったのは、日本のSuicaのようなチャージ型のICカード。BTSは「ラビットカード」、MRTは「MRTカード」といい、それぞれ有人窓口で購入します。私の場合、ラビットカードを300バーツ(1,031円 ※手数料100バーツ含む)、MRTカードを180バーツ( 618円 ※手数料+デポジット80バーツ含む)で買いました。
カード購入は現金のみ。 「One new rabbit card, please」と言いながら300バーツ出す、みたいな感じですね。 ラビットカード購入時にはパスポートの提示を求められるので注意が必要です(MRTカードはノーチェックだった)。
改札を通るときに残高が表示されるので、「残高あやしいかも」と思ったら早めにチャージするのがおすすめです。「チャージしてください」は、どうやら「charge」でなく「top up」と言うらしいので、窓口にカードとお金を出して「Top up 100 Baht, please」という感じで係員にお願いしましょう。
ちなみに、WordCamp会場のアイコンサイアム(ICONSIAM)とBTSの最寄り駅は徒歩30分くらいの距離です。バンコクの日差しの下を30分歩くのはなかなか酷なので、アイコンサイアムへは
- Grabで正面玄関までダイレクトに行く
- 対岸のBTSサパーンタクシン(Saphan Taksin)駅-〈徒歩2分ほど〉-サトーン・ピア(Sathon Pier=船着き場)-〈渡し船〉-アイコンサイアムの船着き場
いずれかの選択がよいのではないでしょうか。
現地の食堂でごはんを食べる
- メニューに写真あり+英語併記あり
- メニューに写真なし+英語併記あり
- メニューに写真あり+タイ語表記のみ
- メニューに写真なし+タイ語表記のみ
と、徐々に難易度を上げつつオープンエア形式の食堂を訪ね歩いてごはんを食べてきました。BTS・MRT完乗ツアーの途中で立ち寄ることが多かったです。タイ料理屋に足繁く通った成果を今こそ!
結論からいうと「空腹は語学力を超える」。
写真なし+タイ語表記のみ+英語通じないという超絶ハードモードの店でも、おなか減ってるんですもの、注文しないわけにはいきますまい。
店頭の調理スペースにある食材を「この肉、肉」とか日本語で指さしながら、「これにごはん付けて」と箸でせっせとかき込む身振りで注文してこんな料理がちゃんと出てきました。ドリンク付き70バーツ(240円)。
私が体験した範囲でいうと、街なかの食堂で1食35~60バーツ(120円~206円)、ビール大瓶が80バーツ前後、カフェのコーヒーが1杯80バーツ(275円)前後といったところでした。カフェやや高め。
バンコクのアイドルライブに参戦
本ブログでしばしば登場しているアイドルネタ。
「バンコク アイドル」で検索したところ、横浜を拠点に活動する4人組『nuance(ニュアンス)』が現地のアイドル『Siam☆Dream』『AMERYU』『SUMOMO』と対バンライブを開くという情報をキャッチ。nuanceも未見ながら、バンコクのグループもナマではそうそう見られないわけで、早起きして行ってきました。
会場はBTS 2路線が接続するサイアム駅近くの『K-bank Siam pic ganesha』にある『the studio』。ライブタイトルの「Naruhito Birthday Party」というのがピンとこなかったのですが、よくよく考えたら…その日は日本の天皇誕生日!
驚いたのは、「タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー…」「虎! 火! 人造! 繊維!…」「ミョーホントゥスケ化繊飛除去…」など日本のアイドルライブでおなじみのMixがそのままタイに輸入されていたこと。現地の人たちが「虎! 火!」という日本語で高まっている姿は、日本のいちアイドルヲタとしてただただ感動でした。
ちなみに、ライブ後の特典会で撮った2ショットチェキは、サイン入りで300バーツ~500バーツ(1,031円~1,720円)。日本円に換算すると相場的には日本とあまり変わらないですね。
地味に困ったこと
街なかの公衆トイレがすごく少ない
これは地味に困りました。
日本のようにコンビニに行けばあると思うでしょう? コンビニはあるけど(セブンイレブンが圧倒的に多かった)トイレがない。じゃ、駅に行けばあると思うでしょう? ないんですほとんど。BTSの駅はトイレなしがデフォルトで、見掛けたのはたった1回だけ。そう考えると、日本の公衆トイレ事情のなんと良好なことか。
2021年のWordCamp Asia、オプショナルツアーとして私のような街歩きを考えている方、冷え対策や予防薬など相応の準備をして臨むようにしてくださいね。
旅の総括
スマホ、モバイルバッテリー、Grabがあればなんとかなる。
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