2013年8月10日から始まった、愛知県名古屋市・岡崎市で開催の『あいちトリエンナーレ2013』。開催初日、豊田市美術館で開催の『フランシス・ベーコン展』とまとめて、日帰り弾丸ツアーでいってきました……といっても名古屋の方は回りきれないので、まずは岡崎から。
前回(2010年)からの経緯で、あくまで岡崎は〈サブ会場〉という位置づけと認識してたのですが、これがいい意味で裏切りの夕焼けでございました。開催規模は小さいながら〈昭和好き〉をシビれさせる物件がたっぷりで、それだけでも私的満足感100%だったからであります。
岡崎に到着するやいなや、名鉄東岡崎駅併設の駅ビル『岡ビル百貨店』からの先制パンチ 🙂
電飾が施された『岡ビル百貨店』の看板がかもしだす昭和風味に悶絶。作品のある3Fにあがる最中で……
○ックス・バニーがお出迎え。3Fに着いたら着いたで……
昼ごはん食べた後で岡崎入りしたことを後悔させる「スパゲッチ」の店。由緒正しいナポリタンを食べさせてくれるに違いありません。
館内のレタリングもいちいちカワイイ。
続いて向かったのは、その昔、いわゆる〈中心市街地〉の商業施設として栄えたという岡崎シビコ。
全国各地の地方都市の例にもれずここも、郊外へのショッピングモール(ピンクの看板のアレとか)の進出などで歯抜け状態となり、地上6階・地下2階の建物は一部のフロアを閉鎖など、痛々しい状況になっています。
トリエンナーレでは、そうした環境を逆手にとった展示がいろいろと。
屋上は、栗原健太郎+岩月美穂によるインスタレーション。日差しががんがん照りつけて、白一色の屋上は輝度100%状態。冬でもないのに雪焼けしそうな勢いです。
通常は閉鎖されている5Fはまるで、映画『ブレード・ランナー』の世界(向井山朋子+ジャン・カルマンの作品)。
さらに館内には「ともだち」(作品じゃあないなこれは)。
岡崎会場では3台しかなく、競争率が高いらしいベロタクシーをたまたまキャッチでき、シビコから松本町会場へ移動。
待ち受けていたのは……
ファイナル勉さん。
しかしここがまた、なんとも味のある界隈。
徳川家康の父・松平広忠が祀られている松應寺を中心に発展したエリアなんだそうですが、そんな由緒に反してというかなんというか、エリア自体は〈花街〉として栄えたのだとか。「岡崎 松本町 赤線」でググったりすると、花街としての歴史にふれている記述もいろいろと出てきます。
「ちょんの間」の名残もあったりするんでしょう、とにかく狭小住宅ばっかり。間口は狭いわ天井は低いわ階段は急だわ。そんな中で、ボランティアさんは店番してるんですから頭が下がります。
作品はそうした〈主のいなくなった狭小住宅〉を舞台にして展示。汗をかきかき、風通しが決してよいとはいえない狭小住宅の中をあがったり降りたりしながら鑑賞したのでありました。
さて帰りますか、ということになってラッキーにも、またまた空車をキャッチできたので、シビコまでベロタクシーで。運転手のお兄さんが「行きとは違うルートで戻りますね」と話した途上で遭遇したのが
はっ! これがかの有名な岡崎市立中央図書館!
……ということで過ごした岡崎でのひととき。駄文のレポートにおつきあいくださりありがとうございました。
[2013.8.18追記]
シビコでは、ただ「上から下りてくるのがラク」という理由で屋上の作品から観ていきました。ところが、アーティストトークに参加した方がこんなツイートを……
岡崎シビコ屋上。栗原健太郎+岩月美穂アーティストトーク。「鑑賞者は、シビコ3階5階6階の精神性を問う、集中する作品を観てから屋上にやってくる。その流れを考え、屋上から明るい外へ出た時に身体で感じて欲しいと思って作った。シビコ全体として考えた作品」 #AT2013
— 浅野則子 (@araasayan) August 17, 2013
がーん、そんな意図があったとは……ということで、これから行くという方は下から順番に観ていくのがおすすめです 🙂
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